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「汗と涙と根性と」ランキング

2012.9.7現在
(上演作品一覧における1972年度〜1986年度まで)

 私は、「上演作品一覧」にあるように、24年間(正確には、1967年度からの29年間なのだが、はじめの5年間は、記憶も記録も定かではないので、このサイトでは省略する)「汗と涙と根性と」の顧問であった。この24年間の歩みを、本サイトで紹介している。

 連盟に加盟してからの22年間、コンクールの順位に一喜一憂してきた。演劇のコンクールというのは、音楽のコンクールのように「課題曲」みたいなものがない。各校が別々の台本で上演したものを、審査員が選考するのだから、審査員の好みや主観で左右されてしまう。それはやむを得ないのだが、スポーツの試合のように得点の差という客観性がないだけに、審査に恨みを残すことも多い。我が校など、審査員受けしない芝居を作っていたせいもあって、恨みの連続だった。

 それなら、コンクールなど無視するとか、気にしないとかすればよかったのだが、それどころか、無類のコンクール好きだった。常に、勝つことを求めていた。コンクールに勝つことが「汗と涙と根性と」の原動力だった。

 そこで、最後のコンクールとして、顧問が審査委員長(審査員は顧問一人だが)になって、この24年間の「汗と涙と根性と」の部内ランキングを行うことにした。これも、顧問の独断と偏見だから、気にするな!遊びだ、遊び・・・・・、(と言いながら、顧問も部員も真剣になってしまうのが我が部だった)。

 24年間もやっていたのだから、経験が知識や技術を高めるし、だから後輩の代の方が有利であることは当たり前のことだ。予想として、後代の方が上位に行くと思われる。しかし、先輩達の苦労や失敗の積み重ねがあって、後輩達の華やかな時代が生まれたことを忘れてはならない。なんだって、無人の荒野を行く開拓者の方が大変なんだ。

 それから、演劇は一人でできるものでもなく、役者だけでできるものでもなく、その時のティームの力が作品の質を決定することは分かり切ったことだ。その上で、あえて、個人ランキングを行う。演劇では、一人の才能が舞台の質を決定することも、また、当たり前のことなのだ。気にするな、遊びだよ、遊び・・・・・・。

 24年間のすべての上演作品がサイトにUPされてから、パンパカパーン!と最終的なランキングが発表される。だから、それまでは、ノミネート表である。しかも、上演作品一覧にUPされたところまでのノミネートである。熱くなるなよ、遊びだ、遊び・・・・・・。

最優秀作品賞

作品名 選考理由
1974(昭和49)年度:作・弘前高校演劇部「コモンセンス」
 なんと言っても、県大会初出場の栄誉ある作品。だが、それだけではなく、かったるいリアリズム演劇が高校演劇の主流だった時代に、音響ジャカジャカ、ダンスのりのり、照明チカチカの国坂芝居の源流を作ったところの功績は大きい。
1978(昭和53)年度:作・アヌイ(訳・芥川比呂志)「アンチゴーヌ」  2時間以上の台本を60分以内にするテキストレジの無理もあって、芝居としては、こなしきれなかった感は否めないが、高校演劇でアヌイに挑戦した革新性は高く評価されなければならない。
1980(昭和55)年度:作・清水邦夫「楽屋」  清水邦夫の名作で、60分以内にするテキストレジにもそれほど苦労しなかった。台本はいい、4人の女優は、高校演劇としては最上級、セットもいい、照明・音響もいい、衣裳もいい、これで県大会3位は、納得がいかない。
1981(昭和56)年度:作・アヌイ(訳・芥川比呂志)脚色・羽鳥史朗「恭しき叛逆」  3年前の「アンチゴーヌ」の再演で、県大会2位に入賞した。トコの不器用なまでの必死さと、ミエの高校生離れした重厚な演技で、この大作をよく高校演劇に取り込んだ功績は特筆に値する。
1983(昭和58)年度:作・竹内銃一郎「戸惑いの午后の惨事」  小劇場芝居を高校演劇に持ち込んだ先進性、男役のセンム・ブチョウ・ジチョウを女優のカラフルな衣裳と演技力で成功させたこと、スピード感のあるアクションシーンの成功など、国坂芝居のエポックとなった。
1984(昭和59)年度:作・水川裕雄(創作)「されど今、名残りの日々を・・・」  なんといっても県大会最優秀・関東大会出場作品を落とすわけにはいかない。抽象的なセリフ劇として成功したとはいえないが、ラストの殺陣や屋台崩しなどの視覚的効果の演出は先進的であった。
1986(昭和61)年度:作・市堂令「シンデレラ」  女優5人だけの劇団「青い鳥」を高校演劇に持ち込んで成功させた先進性、スピード感ある演技とカラフルな舞台、「セットの神様」の名を不動にした驚きの装置など筑坂芝居の最高傑作の一つである。




最優秀作品賞

受賞者 選考理由
1974(昭和49)年度:作・弘前高校演劇部「コモンセンス」
  酒巻 良子(3年)
 変幻自在、七色の声を操る軽妙洒脱な演技は、群を抜いていた。歌唱力もあって、特に当時のヒット曲「あなた」を歌わせると絶品だった。
1978(昭和53)年度:作・アヌイ(訳・芥川比呂志)「アンチゴーヌ」
  畑口 初江(3年)
 本人も真面目・清楚な人だったが、アンチゴーヌのひたむきさ・潔癖さをよく演じた。器用さ・柔軟さはなかったが、その分を努力と辛抱強さでカバーしていた。
1979(昭和54)年度:作・雑賀 聖「再会屋」
  鈴木まり子(2年)
 詐欺を仕掛ける中年女を好演した。日常生活では、かなり破綻の多い人だったが、こと芝居となると、異様な集中力を発揮する典型的な国坂劇部員だった。
1980(昭和55)年度:作・清水邦夫「楽屋」
  佐々木美枝(2年)
 苦労の末に主役をつかんだ女優Cの執念を、すさまじく演じた。高校演劇のレベルを超えていた。大人の女を演じることのできた数少ない国坂劇部員だった。
1981(昭和56)年度:作・アヌイ(訳・芥川比呂志)脚色・羽鳥史朗「恭しき叛逆」
  山村 聡子(3年)
 決して演技派ではない。むしろ不器用である。しかし、生真面目な必死さには心打たれる。県大会2位の作品の主演者をノミネートしないわけにはいかないだろう。 
1984(昭和59)年度:作・水川裕雄(創作)「されど今、名残りの日々を・・・」
  百木田 薫(3年)
 抽象的なセリフ劇で役者の為所は少ないのだが、開幕から閉幕まで、凛とした存在感を示し続けて、舞台の芯になったことは高く評価できる。演技力という点では歴代トップクラスの一人である。




最優秀助演女優賞

受賞者 選考理由
1977(昭和52)年度:作・湘南女子高校演劇部「ある群れ」
  芳賀みゆき(3年)
 鑑別所の中の少女達の話で、クールな脇役をしぶく演じて光っていた。この人は3年になって入部した。大人の女を演じられる演技力のある人だったが、劇部ではその機会はなかった。
1980(昭和55)年度:作・清水邦夫「楽屋」
  鈴木まり子(3年)
  斎藤貴代美(3年)
 亡霊A・Bを絶妙なコンビで鮮やかに演じた。まり子は、県大会の舞台を3年間踏んだ最初の部員になった。貴代美は中学校では新体操をやっていて、ダンスが得意だった。
1981(昭和56)年度:作・アヌイ(訳・芥川比呂志)脚色・羽鳥史朗「恭しき叛逆」
  佐々木美枝(3年)
 国王として陰謀渦巻く政治の現実を受け入れながら、純粋な姪のアンチゴーヌを助けようと苦悩する難しい大役ユーリディスを重厚に演じた。ミエは、県大会の舞台を3年間踏んだ二人目の部員である。 
1983(昭和58)年度:作・竹内銃一郎「戸惑いの午后の惨事」
  百木田 薫(2年)
 本来は男のやる難役を変幻自在の演技力で「圧倒的な権力の暴力性」をカラフルに表現して見せた。つやは3年間県大会の舞台を踏んだ4人目の部員である。




最優秀新人賞

受賞者 選考理由
1979(昭和54)年度:作・雑賀 聖「再会屋」
  佐々木美枝(1年)
 詐欺の道具にされる娘の揺れ動く心情を巧みに表現した。埼玉新聞の劇評でも絶賛された。
1980(昭和55)年度:作・清水邦夫「楽屋」
  丸山  薫(1年)
 精神を病んだ女優Dにはまっていた。なにしろ、背の高さと美貌は大きな財産だった。薫は3年間県大会の舞台を踏んだ3人目の部員である。
1983(昭和58)年度:作・竹内銃一郎「戸惑いの午后の惨事」
  松岡 洋和(1年)
 東映時代劇の若手スターを思わせるような二枚目で、スピード感のある若々しい演技で魅了した。




最優秀主演男優賞

受賞者 選考理由




最優秀助演男優賞

受賞者 選考理由
1983(昭和58)年度:作・竹内銃一郎「戸惑いの午后の惨事」
  大鶴 勝也(2年)
 あまり深く考えずに流されるように生きていく飄々とした若者像を軽妙な演技で表現した。




最優秀舞台美術賞

受賞者 選考理由
1980(昭和55)年度:作・清水邦夫「楽屋」  センターの光る鏡、正面を向いた化粧台、斜めにカットした出入り口のパネル、必要最小限の抽象化したモノトーンのセットで「楽屋」の舞台をよく表現した。
1983(昭和58)年度:作・竹内銃一郎「戸惑いの午后の惨事」  企画・制作:服部 次郎・美術:松岡 洋和のデビュー作。よく考えると、屋敷の勝手口という感じで、空き地の入口には見えないんだが、まあいいでしょう。
1984(昭和59)年度:作・水川裕雄(創作)「されど今、名残りの日々を・・・」  県高校演劇初の大がかりな「屋台崩し」が仕込まれたセットは、秀逸であった。特に関東大会バージョンのセット絵は、松岡洋和の画才が光った。また、関東大会バージョンの開幕にジュラルミン盾が並び霧が流れるシーンは衝撃的であった。
1985(昭和60)年度:作・水川裕雄(創作)「せめて青春、闇街道・・・」 初めてアングルを使って、立体的なセットを組んだ。松岡洋和のモノトーンの抽象画や斬新な照明とマッチして死者の世界の雰囲気をよく出していた。
1986(昭和61)年度:作・市堂令「シンデレラ」 暗転の一瞬の間にアパートの部屋からシンデレラの家に転換するパネル、ラストシーンのパネルが前に割れてゆっくりと降りてくるところなど、「セットの神様」の渾身の力作である。ヒロカズ画伯のシンデレラの家の抽象画も美しかった。




最優秀照明賞

受賞者 選考理由
1984(昭和59)年度:作・水川裕雄(創作)「されど今、名残りの日々を・・・」  ラストの「屋台崩し」で初の目つぶしを使った。この芝居から国坂芝居は照明にこり始める。
1985(昭和60)年度:作・水川裕雄(創作)「せめて青春、闇街道・・・」  オープニングのバイクのヘッドライトが乱舞するシーンは圧巻であった。「照明の国坂」の名を確立した。
1986(昭和61)年度:作・市堂令「シンデレラ」  時空間をスリップしていく転換の多い芝居だけに照明の果たした役割は大きい。この芝居でストロボを初めて使った。




最優秀音響賞

受賞者 選考理由
1984(昭和59)年度:作・水川裕雄(創作)「されど今、名残りの日々を・・・」  ラストの屋台崩しにかかる「マイ・ボーイ」が印象的である。
1985(昭和60)年度:作・水川裕雄(創作)「せめて青春、闇街道・・・」  衝撃的なオープニングは照明と音響の相乗効果であった。
1986(昭和61)年度:作・市堂令「シンデレラ」  時空間をスリップしていく転換時にはダンスシーンが入り、音響の役割は大きかった。




最優秀衣裳賞

受賞者 選考理由
1983(昭和58)年度:作・竹内銃一郎「戸惑いの午后の惨事」  センム・ブチョウ・ジチョウの奇抜にして華麗な衣裳は、OG衣裳チーム「針手麗羅」によるもの。男役を女優がやる無理を衣裳で超越しようとした卓越した発想は高く評価される。
1985(昭和60)年度:作・水川裕雄(創作)「せめて青春、闇街道・・・」  洋和と奈穂美のデザインを先輩達が製作した衣裳は死者の世界の超現実性をよく表現した。「衣裳の国坂」の名を確立した。
1986(昭和61)年度:作・市堂令「シンデレラ」  5人の女優が複数の役を演じるだけに衣裳の役割は大きく、早変わりの練習も大変であった。ラストシーンの哲子からシンデレラへの「引き抜き」も見事であった。




最優秀舞台監督賞

受賞者 選考理由
1982(昭和57)年度:作・ガルシーア・ロルカ 訳・会田 由「ベルナルダ・アルバの家
  桜田 孝(1年)
 舞監というのは、上演活動のすべてに精通してCASTとSTAFFのすべてを仕切っていくとても重要で難しい仕事であるが、舞監という仕事を我が部で最初に形にした功績は大きい。いつも腰にタオルを下げて、怪しげな檄文をセットの裏にそっと貼っている孝は心和む国坂の舞監であった。




最優秀リーダー賞

受賞者 選考理由
1982(昭和57)年度:作・ガルシーア・ロルカ 訳・会田 由「ベルナルダ・アルバの家
  丸山  薫(3年)
 7人入部した同級生部員が3人に減る葛藤の中で、優等生らしいリーダーシップを発揮した。特に「基礎練マラソン」を確立した功績は大きい。カオルは、3年間県大会の舞台を踏んだ3人目の部員となった。
1983(昭和58)年度:作・竹内銃一郎「戸惑いの午后の惨事」
  新井 勝美(3年)
 たった一人の3年生になりながら、演出・舞台監督として、裏方に徹しながら、コンクールに臨む後輩達をよく仕切った。劇部初の特別引退公演を実現した。




最優秀演出賞

受賞者 選考理由
1980(昭和55)年度:作・清水邦夫「楽屋」  報われなかった女優A・Bの恨みと哀切、必死で主役の座にのし上がった女優Cの執念、希望のない日々に精神を病んでいく女優Dの絶望を、高校演劇としては最上級の演技陣を駆使して、STAFF面も過不足なく表現した演出は高く評価される。
1983(昭和58)年度:作・竹内銃一郎「戸惑いの午后の惨事」  先鋭的な小劇場芝居を高校演劇に持ち込んだこと、男役のセンム・ブチョウ・ジチョウを女優にやらせても圧倒的な権力の暴力性を表現したこと、迫力のあるアクションシーンを見せたことなどが評価される。 
1984(昭和59)年度:作・水川裕雄(創作)「されど今、名残りの日々を・・・」  動きの少ない抽象的なセリフ劇を、大がかりな屋台崩しを仕込んだセットやドライアイスの霧や枯葉落としや照明・音響で視覚化した演出は評価できる。
1986(昭和61)年度:作・市堂令「シンデレラ」  時空間をスリップしていく転換の多い芝居を装置・照明・音響・衣裳の高いSTAFF力を駆使してスピード感のあるカラフルな舞台に仕上げた演出は評価できる。






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